洗浄・アルカリ・酸工程へのPET板カバー導入に向けた検討


製造現場において、洗浄層やアルカリ・酸を用いる各処理工程における異物混入は、製品不良や品質低下を引き起こす重大な要因となります。
とくに、空気中、開口部からの埃の流入や作業中に舞い上がる微細な塵が液槽に付着・混入することで、表面に微小な傷や斑点、変色などの不良を発生させ、結果として再処理や廃棄といったコスト増加に繋がる恐れがあります。
そして今回、生産ラインにおける工程異常の要因ともなりかねず、安定した品質の維持に向けて、異物混入のリスクを極力排除するための依頼の相談がありました。

そのため現在、洗浄層やアルカリ・酸の層に対しての防塵対策をするためには、どのような納め方が良いのか?について検討しています。
通常のカバーや囲いでは、採光性が乏しく作業効率の低下や目視点検のしづらさといった課題がありますが、今回の対策ではPET板(ポリエチレンテレフタレート板)を使用した検討をしてみました。PET板は透明性に優れ、設備内の自然光や照明光をしっかり取り込むことができ、視認性を確保した状態で防塵効果を発揮します。
さらに、耐薬品性においても酸やアルカリに対して一定の耐性があるため、液体の飛沫や蒸気がかかる環境下でも劣化しにくく、安心して使用できると判断しています。

実際の設備には、配管・スイッチボックス・センサー類など多くの付帯設備が存在しており、単純な覆いだけでは納まりが困難な箇所がいくつもあります。
現在はそれらの障害物を考慮したうえで、どのような形状・構造、下地の取付工法などでカバーリングを行うかについて手描きのマンガ図を用いて検討を進めています。
また、3次元・ラフスケッチでイメージを描きながら、現場での作業性やメンテナンス性を損なわずに、防塵性能を確保する最適な形を模索している段階です。

防塵対策は一度施工すれば終わりではなく、設備や工程の変更に応じてその都度、対応していく必要があります。
今後も、改善と見直しを繰り返しながら、より良い製造環境の実現していきたいと考えています。


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